2016-12-23

冊子「藤箕のなやみ」を製作中!

穀物をあおりふるって、中に混じった殻やごみをふるいわける
「箕」。かつては、日本各地で独自の箕づくりが行われて
いましたが、農具としての需要の低下とともに、急速に
その姿を失いつつあります。

「籠」と「箕」。もともと農具として欠かせない道具で
あったことや、国内の農業の衰退と安価で壊れにくい
プラスチック製品の登場により、大きな影響を受けて
しまったことなど、多くの共通点があると思います。

しかし、これまで全国各地の箕づくりの現状について気に
なりつつも、時代の変化にあわせ、暮らしの中で活躍する
用途が中心となっているかごとの用途的な違いから、積極的に

実際の産地まで足を運んだ機会は数度しかありませんでした。


遠くに北アルプスの山々が見える海岸線


しかし今回、富山県氷見市に伝わる「藤箕」づくりの存続のために、
地元で
冊子づくりをはじめようとしている方々に、協力の依頼を
受けました。

国の無形文化財にも指定されている手仕事の紹介に携われることは、
たいへん光栄な依頼でしたが、正直なところ、箕づくりについての
特別に詳しい知識は持ちあわせてはいません。しかし、国内の
さまざまなかごの産地を訪れ、作り手さんとの直接の対話を
心がけている
経験は、何かの役に立てるのではと思い、引き受け
させてもらいました。



藤箕の里、熊無・論田地区の棚田


今回、お話を伺ったのは、「藤箕づくり技術保存会」の会長である
坂口さん。材料採りから加工、箕の完成まで、二日間をかけて
すべての行程を見学させていただきました。




坂口さんは会長になられてわずか1年ほど。
前の会長だった先輩方は90歳近いお年となり、この地域で
箕づくりができる最年少の坂口さんにお声がかかったそうです。

しかし、坂口さんが箕づくりに携わっていたのは、今から50年以上も
前のこと。当時は、中学校に通いながら、農業を営むご両親の手助けを
していたことから、農閑期に行う藤箕づくりも覚えていきました。
しかしその後、20歳になって会社に就職し、離れた町で仕事を
するようになってからは、再び箕づくりをすることはありませんでした。

しかし数年前、保存会より声がかかったのをきっかけに、再び藤箕
づくりに挑戦してみたところ、まだその作り方を身体が覚えていた
そうです。

今では、室町時代より600年以上続いてきた、この伝統文化を
絶やしてしまうことが無い様に、次の世代の人にバトンを渡せるまで
頑張っていきたいと話してくれました。

今回、取材を行った内容は、完成した冊子の中で、詳しく紹介して
いきたいと考えています。そして、その進行を「藤箕のなやみ」
と名付けたFBページ(https://goo.gl/ftQ34M)で発信していきます。

ぜひ今後の活動をご覧いただければ幸いです!